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大阪府泉南郡岬町 田代堯町長 【平成29年04月17日掲載】 |
「道の駅」「みなとオアシス」「航路復活」 交流・定住人口の拡大に向け全力 |
大阪府の最南端に位置する岬町。かつては和歌山を結ぶ交通の要所として、また、四国・淡路島を結ぶ海の玄関口として賑わいをみせたが、平成に入ってからは、航路廃止や火力発電所の閉鎖などで町の活力は著しく低下。今では人口減少・少子高齢化といった深刻な課題に直面する。 |
■第二阪和国道が4月1日に全線開通し、その翌日には「道の駅みさき」も開業となりました。 |
「まさに50年来の念願が叶ったと言える。第二阪和の開通は泉州経済を活性化させる大きなインパクトを持つ。岬町としても、この道が開通することで、大阪はもちろん、お隣の和歌山とも様々な連携が可能になる。そう思って喜んでいる」 |
■何故、サービスエリ アではなく、道の駅にしたのですか。 |
「正直、道路開通によって通過点となる懸念もあった。それを避けるためには、1人でも多くの人を岬町に呼び込むこと。つまり、淡輪ランプで一旦降りてもらうことが大事だと判断した。例えば、道の駅の利用者に岬町の眺望を楽しんでもらって、『また遊びに来たい』と思ってもらう。ずばり交流人口・定住人口の拡大が狙いだ」 |
■平成27年に海辺のエリアを「みなとオアシスみさき」として国交省に登録(大阪府下第一号)しました。 |
「岬町の場合、現状では、来訪者の殆どが『みさき公園』や『海釣り公園』など特定の場所だけを訪れて帰ってしまう。これではもったいない。海辺にはほかにも、観光・レクリエーション施設がたくさんある。『みなとオアシス』への登録をきっかけに、新たに設置した深日港観光案内所を情報発信の拠点とし、町内の海辺の地区・施設と連携を強め、賑わいの再創出を目指している。そして何より、岬町の海辺は散策やサイクリングするには最高のロケーション。来訪者に周遊していただける仕組みをつくり、そのうえで町に入り込んでもらって、岬町の良さを知っていただき、定住につながればと期待している」 |
大阪湾南まわり観光ルートの構築を |
■庁舎のある深日港を拠点に観光を盛り上げるそんな機運も高まっていると。 |
「もともと深日港は、江戸時代の旅行ガイドブックにも景勝地として紹介された歴史ある港で、昭和40年代、50年代のここ深日港周辺は、淡路島や四国を結ぶ海の玄関口として大いに賑わっていた。しかし、瀬戸大橋や明石海峡大橋の開通などの影響から、平成11年に深日港〜洲本港を結ぶ航路が廃止され、それ以降、この辺りも急速に活気を失った」 |
■昭和50年代に約2万3千人だった岬町の人口が、今では約1万6千人。人口減少への対応は? |
「人口減少とともに企業流出が相次いだことから、これまでの町政は緊縮一辺倒でやってきた。だが、私はそれではいけないと。結局はジリ貧になり追い込まれてしまう。やはり、人の流れをつくり、定住人口を増やすために必要な事業にはきちんと投資しようと。特に、子育てに軸を置いた」 |
■厳しい財政状況においても、知恵を絞って先進的な活動をされています。 |
「われわれが少子化対策を含め、地方創生の取組みを開始した平成27年度以降、人口については、自然動態、社会動態とも減少に歯止めがかかりつつある。とりわけ、30代、いわゆる子育て世代が転入超過となり、それとともに、0歳〜4歳児の数も増えてきた。これは中学卒業まで医療費を無料化したことや妊婦健診の拡充など、子育て支援にしっかり力を入れてきた結果だと思う」 |
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