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鹿島建設(株) 常務執行役員 関西支店長 松崎公一氏 【平成27年06月18日掲載】 |
「顧客本位」で確かな結びつき 「協力会社とは運命共同体」として |
就任にあたっては、「4月からスタートした中期経営計画に沿った支店運営を心掛け、前支店長の取り組みも受け継ぎながら、堅固な支店を作り上げていきたい」と抱負を語る。特に全社的に支店の地位が低下しつつある中で「まずは支店内をしっかりした組織として固めたい」。 |
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関西での勤務は初めて。その関西の印象については、「関東に比べると悪い状況にあり、全社的な比率も低下しつつあるが、潜在的なものがもともとある地域」とし、これは就任後の挨拶回りの中で「顧客との会話を通して感じたもの」とする。 |
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また、関西は大阪だけでなく、京都や神戸、姫路といった広範囲に特徴ある都市がつながる「興味深い地域」だとも。さらに「顧客が非常に多いことにも驚いた」とする。特に大阪や神戸、京都の地場企業で経済界でも重要な地位を占める企業が多く、「それら顧客とこれまで以上に結びつきを確かなものとしたい」と語る。 |
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就任時の訓示では、「顧客本位の仕事」と「協力会社とは運命共同体」を掲げ、支店の運営にあたっては、「社員が伸び伸びと、何でも自由に意見を言えて、それを私自身ができるだけ聞くことを心掛けている」とする。これは社員に限らず協力会各社の社員でも同様で、「現場のことを一番知っているのが彼らであり、彼らとともに現場をつくり、全員の力で一つの事業を成し遂げていきたい」と述べ、そのためには「一人ひとりの力を全て出し切る環境をつくることが私の役目」と自身の役割を語る。 |
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事業展開においては、「関西にはダム事業なく、道路や鉄道が中心となるのでは」との見方を示しながら、ある程度のインフラ整備が進んでいる中では土木事業そのものが少なくなっているが、「必ずしも関西でのウエイトを増やすということではなく、関西に足らないものがあれば、そこを補うというのが会社としての方針であり、決して焦る必要はない」。 |
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受注や売上に関して、会社としては目標とする数値は当然あるが、数字にとらわれすぎる必要はなく、また「注力する特定の分野もない」として、「幅広く顧客と付き合う中で、互いに成しえるものがあれば、分野に関わらずともにやっていきたい」と自然体であることを強調する。 |
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一方、技能労働者はもとより、管理側の技術者不足が官民問わずに課題となっているが、これについては、国や業界団体の取り組みとともに、自社の協力会各社の雇用確保について、「我々も一緒に連携して取り組み、元請、下請の社員一人ひとりの能力を高めていきたい」とする。 |
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また、労務状況に合わせて「仕事量も減少する可能性はある」との見方を示しながらも、「生産性を向上し、技術を持って仕事をこなしていく」と社員の能力や現場力を高めることで乗り切っていくとした。 |
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信条としては、仏教用語の「六波羅蜜」である「布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧」を、「成功の要諦・社会貢献・コンプライアンス・努力・忍耐・冷静・不断の努力―による真理への到達」とした京セラの稲盛社長の著書を引き合いに、「厳しい状況だからこそ、この言葉を大事にすべきでは」と語る。 |
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入社後は、通算して十年間は九州、後は東京での勤務。「想い出のある現場・仕事は」との問には、「どの現場にも想い出がある」としながら、東京ディズニーランドの現場は「楽しかった」とし、さらに、大規模な逆内工法を採用した二つの現場は「印象に残る」と振り返る。 |
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「現場での仕事を希望していた」ことから、大学では迷わず建築科を選択。同社への入社も父親が鹿島に勤務していたことが、「多少は影響があるかも」とする親子二代にわたっての建築屋。 |
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趣味は海釣り。「大阪住まいとなってからは、気軽に釣りにいけないことが残念」。転勤後は、串カツをはじめB級グルメを食べ歩きし、「京都や奈良、神戸へも行ってみたい」。 |
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