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大阪府左官工業組合 青年部長 中川博志氏  【平成26年05月26日掲載】

                   (中川組 専務取締役)


人材育成へ新たな手法を探る


 若手をはじめとする労務不足の解消に向けた「人材育成が課題」と就任にあたっての抱負を述べる。ゆとり教育世代の若者をいかに採用し、職人として育て上げるか「メンバー全員で意見や知恵を出し合っていきたい」。

 左官の仕事は一年やそこらで出来るものではないとし、「一人前になるまでは最低十年間は必要とされるが、その期間をできるだけ短縮するためには、どうすべきか」。そのための教育や訓練方法はどのようにすればいいのかを模索する。

 「我々の世代は、義理と人情に基づく主従関係がまだ残っていたが、ゆとり世代にそれが通じるかどうか。仕事に対してプライドを持つ、あるいは持てるような人材を育てていくのか、従来のやり方では無理ではないか」との思いもよぎる。

 一方、青年部としての活動では、親組合の実行部隊としての役割を果たすため、各委員会活動を充実させるとし、当面の目標では、「10月に大阪で開催される全国研修会の成功に向けて取り組みたい」。また、今年80周年を迎えた組合は、その動向は全国的にも注目を集めるだけに、「前線で活動できれば」と語る。これまで副部長として前部長を支えてきており、部長就任は「規定路線」としながら、「プレッシャーもある」とする。

 しかしながら、青年部も人数が増えつつあり、それに伴い「かつてよりは横のつながりが強くなっている」ことを実感している。このため、メンバー全員が「技術に対する正当な対価を求める」との認識を共有し、それを施主、元請に対して理解を求める必要があると強調する。

 「跡を継ぐという意識とやりたかった仕事が合致した」ことから、平成16年に中川組に入社。「左官は全ての仕事に関係するため、左官だけに特化していてはだめだ」とし、建築全体を「周りから覚えるため修業として」それ以前は10年程、ゼネコンで現場監督を務めていた。

 その当時でも現在も「人を動かすのは気であり、損得勘定抜きの気持ちで仕事に向かうこと」が大事であることを学んだ。このため、人脈を大切に、人とのつがなり「義理・人情」を大事にするがモットー。趣味はゴルフと野球観戦。43歳。羽曳野市出身。



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