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大阪府住宅まちづくり部 公共建築室 平田 真室長 【平成24年05月14日掲載】 |
低入札対策などさらに取り組み 職員の技術力維持・向上も課題 府有建築物の耐震・省エネ化推進 |
大阪府住宅まちづくり部で府有建築物を所管する公共建築室では、多様化・高度化する府民ニーズに応えながら施設の維持管理や改修に努め、また、まちづくりの観点からの取り組みにも努めている。今年4月に就任した平田真室長は、環境対策や耐震化の推進とともに「より良い公共建築物の整備に取り組む」と意欲を見せる。その平田室長に、就任の抱負や今後の事業展開について聞いた。(渡辺真也) |
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「安全で、誰もが使いやすく、かつ省エネルギーや環境に配慮した建築を基本に、まちづくりへの視点や時代のニーズへの対応等を重視して取り組みを進めていきたい」と就任にあたっての抱負を語る。 |
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特に東日本大震災以降、建築物に対する安全性の確保や省エネルギー化がより強く求められる傾向にあるとし、このため所管する府有建築物においても「耐震化や新エネルギーや省エネルギー、省CO2に対応する技術の導入を重点的に進めていきたいと考えている」。 |
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耐震化に関しては、府有建築物耐震化実施方針に基づき実施。方針では、平成27年度までに府有建築物全体の耐震化率は90%以上を目標としているが「このうち災害時に重要な機能を果たす施設と府立学校では100%としています。現在では約74%の進捗率ですが、今後も実施方針に基づき、耐震化を推進していきます」と、今後の展開を話す。 |
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また、新エネルギーや省エネルギー、省CO2化への取り組みに関しては今年3月、府では府有建築物の整備における環境配慮指針を策定。府営住宅を除く新築工事でCASBEE評価のAランク、CO2削減やヒートアイランド対策など、府の重点評価で評価4の確保を目標とし、既存施設では設備改修時に更新機器のエネルギー消費量で15%以上の削減を目指すもの。 |
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太陽光発電やLED照明等の新技術は「既存施設での導入も検討しておりますがコスト面での課題が残り、このため導入にあたってはESCO事業等の民活方式も検討していきます。ESCO事業に関しては大阪府が全国の自治体に先駆けて取り組んでいるところでもあり、さらに推進して府有建築物の省エネや節電対策を図っていきたいと考えております」と意欲を示す。 |
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大阪府のESCO事業は15事業・20施設で実施中であり、省エネ率20%以上の実績を有している。「今後は適用施設があるかどうかを調査するとともに、当初に実施したESCO事業が更新の時期を迎えることから再事業化も検討していきたい」。 |
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一方で、公共建築物は、様々な行政サービスを提供する拠点でありながら「同時にまちを構成する重要な要素でもある」とし、このため整備にあたっては「地域の景観形成、環境配慮の視点も重要だと思っております」とまちづくりの観点からも考慮する必要があるとする。 |
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しかしながら近年では、景気の低迷から財政状況も厳しく、公共施設の見直しや再編整備が進められ、既存ストックの活用も求められるなど、公共建築を取り巻く環境も大きく変化する中では「これら新しい行政ニーズへの対応、品質とコストの両立など、公共建築に求められるものがより高度に、複雑になってきているのが実態です」と現状を分析する。 |
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さらに、総合評価方式の拡大など入札契約制度の改正が行われる中では課題も浮かび上がってくる。 |
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「業務が複雑化、厳格化する中で、ベテラン職員が大量に退職していく状況では職員の技術力の維持、向上も課題になっています」。平田室長は難しい問題だが「将来を担う若手職員に対して、ベテラン職員が持つ技術や経験を伝えていけるようにしたい」と述べ「課題は多々ありますが、時代のニーズに応じたより良い公共建築物の整備に全力で取り組んでいきます」と決意を示した。 |
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また、建設業界の現況については「厳しい状況とは認識している」としながら、過度な価格競争で低入札が進行し、工事品質や下請へのしわ寄せが懸念されることから「品質確保や下請保護の観点から、最低制限価格、調査基準価格、失格基準価格の算定基準を改定するなど低入札対策を強化してきた。くじ引き増加解消のため事後公表などを引き続き実施していきたい」と行政としての取り組みを挙げた。 |
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入庁以来、一貫して建築行政に関わってきた。「自ら手掛けた建物が竣工し、利用者に喜ばれたことが一番印象に残る」と、警察庁舎や支援学校での仕事が思い出深いとする。「まちは個々の建物によって変わる。建物の更新に合わせてまちが如何に変化するかに興味がある」ことから大学では都市計画を専攻。大阪の街並みでは「大阪らしさが残る中之島や船場周辺が好き」。 |
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趣味は、山登りアウトドアで現在はウォーキングの日々。スキーも毎年行く。好きな言葉は「着実に前進」。 |
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