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住友電設株式会社・菅沼敬行社長 【平成24年02月02日掲載】 |
「質の追求」にこだわる 本年度中に「VISION15」策定 |
住友電設(株)の菅沼敬行社長はこのほど、恒例となった新年の報道関係者との社長懇談会を催した。この中で菅沼社長は、建設業界では先駆的に力を入れてきた海外事業の更なるエリア拡大に加え、「質を守れずして電設は守れず」との信念の下、本年度中に「VISION15」を策定し、利益率アップと人材教育推進により、さらなる企業体質の向上を図るとの方針を示した。 |
■昨年を振り返って。 |
菅沼社長 |
まさに災害との戦いに明け暮れた一年だった。災害以外にも事業環境という意味では欧米の景気悪化や円高などの影響があり、かつて経験したことのないアクシデントに対する対応力を試された年であった。2011年は、反転攻勢の年と位置づけ、良質受注に拘った。また、円高の問題は長期化すると予想されるので、メーカー各社の海外への生産シフトにタイムリーに対応するため、人材の再配置、特に海外事業の強化に努めてきた。その結果、第2四半期の連結決算は増収増益を達成できた。 |
■今年の見通しについて。 |
菅沼社長 |
公表数値を少し上回る決算になると見込んでいる。建設業界に身を置く当社としては厳しい事業環境の中で生き抜くことを前提に経営を考えるべきであり、そのうち良くなるであろうという考え方では生き残れない。そのことを踏まえて、より高品質の経営を追求していく。 |
■具体的な課題は。 |
菅沼社長 |
今年の課題は三つ。一点目は、安全・品質の確保とミス・エラーの撲滅である。安全・品質に関する問題をゼロにできていないのが現状であるが、無事故、無災害、品質クレームゼロの実現に向け更に取り組んでいく。管理者や責任者の管理力や判断力の再教育を推進し、ミス・エラーの撲滅を含めた体質改善に取り組む。二点目は、海外事業の強化で、今年の柱でもある。国内での需要の伸びはほとんど見込めない中、それをカバーするためにはやはり海外事業の強化を図っていかなければならない。三点目は、経常利益率トップレベルへの挑戦である。経常利益率を全員が意識し、さらにその改善に取り組み続けていかなければならない。経常利益率の目標を5%以上とし、常に業界のトップレベルを保つことが重要と考えている。そのためには、スタートから完工まで全ての業務についてもう一度棚卸を行い、更に新しい付加価値を積み上げるための取り組みを進め、達成していく必要がある。 |
■2015年度を最終年度とした新中期経営計画「VISION15」について。 |
菅沼社長 |
具体的な内容は、まだ答えられる段階ではないが、基本的には「質の追求」にこだわっていく。今年の年頭講話は「質を守れずして電設は守れず」という言葉で締めくくった。この姿勢を堅持して、これまでに作りあげた基礎の上に、第2ステップとしてどういう新しい城を築いていくか、これが「VISION15」の基本的な考え方になる。 |
■質の高い企業を作る上での人材育成について。 |
菅沼社長 |
企業の質を高めるということは、社員のレベルを高めることも当然含まれる。今後は、海外の現場で力を発揮できる人材が更に必要である。昨年から海外派遣要員登録制度をスタートさせ、若手社員を海外に派遣している。海外の現場を経験することで自信をつけ逞しくなって帰ってくる社員もいる。当社のグローバル展開において、若い間に海外の現場を2回3回経験してもらい、将来会社の中核を担える人材を育成していく。 |
■海外における事業展開について。 |
菅沼社長 |
海外進出から40年ほど経つが、その実績を活かし、連結ベースで、受注高・売上高の2割以上、経常利益の3割以上を目標としていきたい。今後もメーカー各社の海外進出が進むと見ており、当社はASEAN(タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン)と中国をベースに、インドでの個別案件やここ数カ月で歴史的にも劇的な変化を遂げているミャンマーの動向に注視しながら、引き続き事業展開を図っていく。 |
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