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(社)日本建設業連合会 関西支部 河本克正支部長 【平成23年7月4日掲載】 |
イメージアップに努力 防災観点のインフラ整備を |
(社)日本建設業連合会関西支部の支部長に就任した河本克正・鹿島関西支店執行役員副支店長はこのほど、支部長就任にあたっての会見を行い、支部活動への抱負を語った。新団体発足により「発信力が高まった」として、建設業界の魅力向上や社会資本整備の必要性をアピールしたいと意欲を示し、また、入札契約制度をはじめとする課題への対応、大災害に対する備えについて支部としての方針などを述べた。 |
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「市場規模が縮小する中で、業界としても構造改革など大きな転換期を迎えていると感じている。その中で日建連では、これまでの三団体の活動を継続しながらも新たな課題へも取り組み、会員企業の発展とともに業界の発展にも取り組みたい」と抱負を語る。五月に開催された日建連関西支部の総会で支部長に選出された。 |
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支部活動に関しては、本部との連携を密にしながら土工協支部時代の活動を引き継いでいくとし「会員の意見をお聞きし、協力を得て各委員会活動をこれまで以上に活発に進めたい」と語り、特に「入札契約制度の改善や現場の生産性向上等に力を注ぐとともに業界のイメージアップにも努めたい」と意欲を見せる。 |
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入札契約制度に関して支部では、従来より近畿地方整備局をはじめとする各発注機関と毎年、意見交換会を実施している。「業界としての意見を述べていますが、発注者側には意見を汲み上げていただいており年々、入札契約方式の改善が進んでいます」と発注者側の取り組みに謝意を表しながら「協会としても一層の自助努力に努め、業界の活性化に努めていく」。 |
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業界の発展については「適正な仕事量とそれに見合った人材の確保が必要」とする。そのためにはイメージアップが重要で「建設業に働いている人が夢と希望、誇りを持って働ける環境をつくっていきたい、そのためには建設業が社会に対してどのような役割を担っているか、一般に広く理解してもらえる努力を続けていく」。 |
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このため現在、土工協時代から推進している百万人の現場見学会等に引き続き力を入れるとしながら、「新日建連となって発信力も大きくなった。それらを背景に業界を底上げし、発展させていく中で関西の安全で安心なまちづくりや発展に貢献できれば」と思いを寄せる。 |
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現在の課題としては、工事量の減少により業界が萎縮することがあってはならいとしながらも「受注につなげるための活動は本末転倒」とし、「本当に必要な社会基盤とは何か、人々が真に必要としているインフラとは何かを議論し、発注機関と話し合う、そういったものを探っていく必要はある」。 |
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また、入札契約制度に関して総合評価方式自体は評価しながら、工事案件の減少による参加者の増加とともに「加者はそれなりの人手とコストをかけている」として技術評価など選考過程の簡素化を要望。 |
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さらに導入が遅れている地方自治体では低入札が止まらないのが現状で「意見交換会等を通して要望し、ある程度改善されつつあるがWTO案件では課題が残るなど、今後も対策を訴えていく」と述べ、「適正な利益を確保することは企業の将来への財産になる」とした。 |
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一方、東日本大震災については「大きな課題を我々に突きつけた」との見方を示す。社会基盤の多くが甚大な被害を受けたことから「公共投資や公共事業の在り方について、業界全体で正面から向き合っていかねばならいのでは」。社会基盤整備、特に災害対策としての社会基盤、本当に必要な社会基盤、公共事業とは何かを議論しないと「社会基盤が弱体化してしまう」。 |
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関西支部としては東南海・南海地震への対応を挙げる。特に防災や減災の観点からハード、ソフトでの対策を議論するべきで「業界にとってはハード面でのインフラ整備が第一です。津波対策や復旧対策、交通網の整備等やることはたくさんあり、大災害への対応には建設業の力が不可欠である」と強調する。 |
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特に関西地区では、高規格道路のミッシングリンクの解消も防災対策上のインフラ整備ということで必要だとする。 |
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土工協時代は支部広報委員長であったことから情報発信への思い入れは強い。今回の震災対応でも国土交通省やJRの動きは素早かったとしながら、震災報道に関しては「もう少し建設業の活躍をクローズアップできれば」。発信力を高めた支部活動と河本支部長の支部マネジメントに期待したい。 |
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入社後は、福岡県での地下鉄工事を振り出しに、主にトンネル工事に携わり、特に阪奈トンネル工事が思い出に残るとする。気がかりは「大学生をはじめ若い世代が建設業を選択しなくなっている」。どんな人でも事柄でも、「誠実に向かい合い、困難であっても逃げないこと」。その姿勢は必ず相手に伝わり、互いの信頼を築くことになるがモットー。 |
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趣味のバイオリンは小学校から。中学・高校と合奏部に所属し、社会人となってからも市民オーケストラに参加、コンサートマスターも努め、現場で演奏したことも。今後、支部長としてタクトをふるい、どんな音色を奏でてくれるのか。 |
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