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大阪労働局労働基準部安全課 田嶋康男課長 【平成23年6月27日掲載】 |
「墜落・転落災害」防止など周知徹底 労働災害は着実に減少 全国ワーストワン返上 |
第84回全国安全週間が6月の準備月間を経て、「安全は 家族の願い 企業の礎 創ろう元気な日本!」のスローガンのもと、7月1日から7日まで実施される。 今年は労働災害のさらなる減少を図るのが目標。昨年の建設業の死亡災害は大阪府下で、18人と過去最少を記録。全産業でも死傷者数・死亡者数が減少し、 全国ワーストワンを返上している。しかし、相変わらず多いのが、従来型の墜落・転落災害だ。大阪労働局は、今年も建設業労働災害防止協会大阪府支部ら関係団体と連携し、 大阪危険ゼロ先取り運動を展開し、啓発活動を実施する。そこで大阪労働局労働基準部安全課の田嶋康男課長に災害防止対策や今年の取組方針など、聞いてみた。 |
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■大阪府で発生した昨年の労働災害の件数を教えて下さい。 |
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田嶋課長 | |
全業種における昨年の死傷災害は8,459人で、前年の8,529人に比べて70人減少しました。死亡災害も63人と9人減少しており、都道府県別ワーストワンを返上しています。この死亡災害63人というのは、大阪で統計をとり始めて過去最少の数字で、本当に良い成績を上げることができました。このうち建設業は死亡災害が18人と平成21年の20人から2人減り、これも過去最少を更新しました。平成18年の37人、平成19年の35人と比べると大幅に減少していますね。また、死傷災害をみても、多少増減はあるものの、長期的にみれば減少傾向を辿っています。こうした死傷災害や死亡災害の減少は、労働災害防止活動に日頃から熱心に取り組んでいただいている皆様の努力の大きな成果だと思っており、非常に喜んでいます。 |
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■今年の状況はいかがですか。 |
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田嶋課長 | |
5月末現在の建設業の死亡災害は、建設業については前年同期4人に比べ2人増え6人となっています。 |
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■災害は、その年の工事量にも起因すると聞いています。今年も昨年同様に良い成績が挙げられるよう願っています。死亡災害でどのような点に注意すればいいのでしょうか。 |
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田嶋課長 | |
建設業では、やはり墜落・転落災害が最も多く、労働災害の半数を占めています。特に昨年12月に足場解体時に親綱があったのにもかかわらず、安全帯を腰に装着していたが使用していなかったために、墜落して死亡されたケースが2件続きました。そのために今年は、特に安全帯を使うことを周知徹底していただくよう業者にお願いしているところです。また、今年3月には交通災害が発生しました。被災者ら3人がトラックに乗車し、東大阪の工事現場から兵庫県の会社に帰社している途中にトラックのタイヤが破裂したため、スペアタイヤに交換していたところ、後方から走行してきた軽自動車に跳ねられ2人が死亡されました。亡くなられた方は若い人で、非常に残念なことでした。自社の車に数人の社員が乗り、現場と会社を往復する際は、一度に多くの方が被災され重大災害になりがちですので、交通事故にはくれぐれも注意していただきたいと思います。 |
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■死亡災害は家族にとってはもちろんのこと、会社にとっても大きな痛手ですね。 |
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田嶋課長 | |
はい。それとスレートの踏み抜き事故が相変わらず多いですね。従来型の災害ですが、いまだに製造業に限らず建設業でも起こっています。専門家であるはずの建設業でスレート屋根に上り、何の対策も立てずに作業して墜落するケースが今年3月にも発生しました。これまで事故が起こって危険が分かっていながら、いまだに手抜きが後を絶たない。これは許せないことだと思います。スレート屋根に上る際は、歩み板を敷く、あるいは防網を張るなど、基本のルールをしっかり守っていただきたいと思います。 |
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■おっしゃるとおりです。それでは、今年の取り組み方針をお伺いします。 |
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田嶋課長 | |
今年は労働災害をさらに減少させるのが大きな目標です。そのためには、まず「重篤な労働災害の発生を防止するための対策」として、重篤な災害を発生させた事業場に対する現場指導を実施します。また、「自主的な安全衛生活動の促進」で、安全衛生に係るリスクアセスメントの普及促進を図ります、さらに「大阪危険ゼロ先取り運動の展開」では、墜落・転落災害の防止、交通労働災害の防止、フォークリフト災害の防止、それに熱中症予防の四つの項目を重点として、それぞれ強化期間を定めて集中的にパトロールを実施するなど、労働災害防止のための周知啓発活動を推進します。現場所長には、「安全宣言」を作成してもらい、現場内の入口や朝礼場所、休憩所などの目につきやすい場所に掲示していただきますようお願いします。 |
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■七月一日から、「安全は家族の願い 企業の礎 創ろう元気な日本!」をスローガンに全国安全週間が始まります。建設業者も、この運動にご協力いただき明るい職場を築いてほしいと願っています。きょうは、大変お忙しい中、ありがとうございました。 |
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