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大阪都市計画局 角田悟史局長  【2022年05月30日掲載】

大阪府市一体広がる先進のまちづくり

広域拠点開発 4つのエリアに分け国際競争力を強化

戦略拠点開発 ニュータウン再生や彩都東部地区など

2050年に向けて 新しいグランドデザイン策定


 大阪の成長と発展を支えるまちづくりに向け、昨年11月に大阪府と大阪市が共同で設置した大阪都市計画局では、均衡ある府域の形成を目指し、大阪市内を中心とした広域拠点や近郊部での戦略拠点での開発に取り組んでいる。取組みにあたっては、2つのグランドデザインとベイエリアビジョンを踏まえ、新たなグランドデザインの策定に向けた検討が進められ、また、まちづくりでは、それぞれの地域特性やポテンシャルを活かしたものが求められている。こうした中、同局で指揮を執る角田悟史局長に、現在の状況や今後の見通しを聞いた。

■まず、都市計画局の役割について。

 基本的な役割は、大阪の成長や発展を支えるまちづくりを広域的な視点から府市一体で進めていくこと。昨年11月1日に発足し、主な業務では、広域拠点開発と戦略拠点開発、府全体のまちづくりの方向性や都市計画決定に係る事務等とともに、これらのまちづくりを進める上で、将来のビジョンを示す必要があることから、新しいグランドデザインの策定に取り組みます。
 このうち広域拠点開発は、うめきた地区や夢洲・咲洲地区のまちづくり、大阪城東部地区、新大阪駅周辺地域の4エリア、戦略拠点開発は市街地再開発事業や泉北・千里のニュータウン再生、彩都とともに、これまで府独自に取り組んできた箕面森町、りんくうタウン、阪南スカイタウンの推進および開発事業等府内の拠点形成を引き続き担っていきます。
 また、新しいグランドデザインは、従来のグランドデザイン・大阪とグランドデザイン・大阪都市圏の考え方を、整理・統合するものです。

■新しいグランドデザイン策定の経緯とこれまでの状況は。

 グランドデザインは、大阪・関西万博を契機に、副首都大阪として東西2極の1極を担い、成長・発展していくため、2050年に向けた大阪全体のまちづくりを示すものです。策定にあたっては、昨年12月に、知事と大阪市長、堺市長、府下の市長会と町村長会の各会長、府市と堺市の関係部局長が出席して第1回の「新しいまちづくりのグランドデザイン推進本部会議」が開催されました。会議では、府域の都市構造及び拠点形成の方向性、府域全体のまちづくりに係る大都市近郊の立地ポテンシャルを活かした新しい郊外の姿について議論しました。
 拠点形成の方向性では、国際的な大都市に相応しい拠点として国際競争力を強化することとし、これは先程挙げました4つのエリアを中心とする大阪都心部です。その都心部の近郊等に位置するのが、府域の中核を担う拠点となります。これに加え、ものづくり産業やイノベーション創出先端産業等の誘致・集積拠点の形成として、第2京阪道路や新名神高速道路等の近年の整備状況も踏まえ、検討していきます。
 策定にあたっては、別途「新しいまちづくりのグランドデザイン策定に向けた有識者懇話会」においても議論され、今年3月には意見をいただいております。今後は、推進本部会議の2〜3回目を開催し、年内を目途に策定を目指して行く予定で、これと並行して府内の各拠点開発の取組みも進めていきます。

■今年度の広域拠点開発での取組みは。

 うめきた2期地区では、JR線の新駅が来年春に完成する予定であり、さらに2024年の先行まちびらきに向けての取組みを進めていきます。大阪城東部地区では、令和3年9月に森之宮北地区の地区計画が決定し、これに基づき大阪公立大学の新キャンパスの整備が進められておりますが、これに続く第1・5期計画の内容について現在、検討を進めています。
 新大阪駅周辺地域では、20年から30年先を見据えたまちづくりを官民が共有して進めていくための「まちづくり方針」策定に向けて取り組んでいます。北陸新幹線やリニア中央新幹線の新駅の設置場所が決まっていないなかですが、民間開発の機運の高まりを捉え、都市再生緊急整備地域の指定を目指すこととし、国と協議を進めていきます。
 夢洲地区のまちづくりでは、国際観光拠点の形成を大きな方向性に位置付けており、万博後の2期開発に関する検討を進めていくため、今後、マーケットサウンディング調査を実施し、民間開発を行うための開発条件や意向調査等の各種のニーズを把握していく予定です。
 また、戦略拠点開発での取組みですが、彩都では西・中部地区の開発がほぼ完了し、今後は東部地区を推進していきます。八尾空港西側跡地については、大阪市や八尾市等で構成した検討会議において新たな都市機能導入や土地利用検討に向けて、マーケットサウンディング調査を実施しています。このほか、モノレール延伸事業に伴い設置される新駅のインパクトを活かした、駅周辺のまちづくり等も検討していきます。

 夢洲地区 新しい建設現場のあり方

■夢洲地区では、スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定を受けましたが

 当該地区では、これから各種の工事が本格化していくことから、夢洲コンストラクションとして取り組んでいきます。万博会場の整備や周辺インフラ整備等を円滑に進めるため、人や車両の移動、資機材の運搬等の円滑化に向け最先端技術を活用するものです。特別区域の指定を踏まえ、それら活用にあたっての規制緩和や新たな制度を採り入れ、新しい建設現場のあり方を示していただけければと思っています。
 また、こういった機会を捉えて、建設業界の方々も積極的に取り組んでいただければと考えています。ここで実現した技術やサービスを、全国の大規模建設工事をはじめ、まちづくりへの取組みにも展開していっていただきたいですね。

■なるほど。

 このほか、淀川舟運の活性化にも取り組んでおり、現在は近畿地方整備局が主体となり、淀川大堰閘門の整備事業に着手しています。万博開催までの完成を目指していますが、完成すれば京都から大阪までの舟運ルートが開かれ、また、災害時には陸上交通に代わり資材運搬にも利用できる防災面での効果も期待できます。舟運については近畿地方整備局が中心となり、淀川舟運活性化協議会が設立され、閘門完成後の舟運事業の活性化に向けた検討が進められており、我々も協力していきます。

■今後も大阪の新たなまちづくりご尽力ください。ありがとうございました。



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