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大阪府・大阪市 万博推進局 彌園友則局長 【2022年02月21日掲載】 |
機運醸成に向けて全力 年度内にアクションプラン |
就任にあたっては、「正直、大きなプレッシャーを感じている」と、自身に課せられた責務の重大さについての心境を語る。今年1月1日付の万博推進局設置とともに局長に就任。大阪・関西万博は、ポストコロナにおける新たなシンボルであり、国家プロジェクトでもあることから、「知事、市長も失敗は許されないと明言しており、そういった意味からもプレッシャーを感じている」とする。 |
万博推進局の役割については、万博の成功は勿論、万博の大きなインパクトを最大限に活かしながら、「大阪、関西はもとより、日本の成長と発展につなげていくという大きなミッションが課せられている」とする。業務では、万博会場整備・周辺のインフラ整備に関する調整や交通アクセスの向上、国内外への機運醸成等に取り組むほか、地元大阪のパビリオンの出展に向けた準備等を挙げながら、「私自身としては機運醸成が課題と思っている」とした。 |
機運醸成に関しては、2021年に実施したアンケート調査の結果、大阪・関西万博の認知度は、大阪府域では9割を越えているものの、府域外は6割程度、万博のテーマについは府域で4割弱、府域外は2割程度であったことから、「開催機運を醸成することで、1人でも多くの方に興味を持ってもらう取組みが必要と思っています」。 |
取組みにあたっては、今年度内を目途にアクションプランを取りまとめるとした。今年4月には開幕まで3年、7月には1千日となり、さらに来年度からは前売券の発売も予定されていることから、「それらの節目に向かって機運醸成のためのアクションプランを策定するもので、関西各府県や府内市町村、経済界等と一緒になり、オール関西として気運を高めていきたい」との思いを語る。 |
機運醸成に向けた広報やプロモーション活動等については、博覧会協会でも取組みが行われているが、協会とは特に明確な役割分担はないとしながら、「それぞれの主体が連携することが第一であり、足並みを揃えながらやっていきたい」とする。 |
取組みにおいては、「それぞれが得意とする分野で取り組むことが重要」とし、万博推進局としては、国内的には全国知事会や市長会、町村長会、海外向けには姉妹都市や友好都市等の行政的なネットワークを駆使した取組みを進めていく考えを示した。 |
一方、会場周辺のインフラ整備に関しては、「各工事の調整が重要となってくる」と指摘する。博覧会協会が実施する会場整備とともに、周辺での道路改良工事や地下鉄中央線延伸工事等が進んでいくことになるが、これら工事が夢洲内で集中し、輻輳して行われることから、各種工事を円滑に進める必要がある。 |
これら工事のうち、特にパビリオン建設工事に関しては、博覧会協会から出展者に区画が引き渡される2023年以降から建設ラッシュが見込まれることから、既に協会、それぞれの事業主体が参画する夢洲等まちづくり事業調整会議が立ち上がっており、今後は、「それらを通じて関係者との連絡を密にしながら準備を進めていきたい」とした。 |
万博推進局には現在、大阪府と大阪市からの職員58人が在籍、今後は業務の本格化に伴い、職員や業務量の増加も予想されるが、事業の推進にあたっては、「いろんな課題も出てくるが、何としても成功させるとの強い思いを持って力を尽くしていきたい」と決意を語った。 |
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大阪府に入庁以来、主に政策分野に従事。直近では秘書長、大阪市に出向中は秘書部長を務めていた関係から、「様々なセクションとつながりができ、その時に培った人脈が現在の仕事の上で非常に役立っている」とする。心がけていることは「やらないより、やって失敗」と、まずはチャレンジすること。休日の楽しみは友人との飲み歩きとするが、現在は自粛もあり「家飲み」を楽しむ。 |
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、“いのち輝く未来社会のデザイン”をテーマとして、大阪市臨海部の夢洲を会場に、2025年4月13日から10月13日までを期間として開催される。期間中は約2820万人の来場者数を想定している。 |
彌園友則(みその・とものり)昭和63年1月大阪府採用、西大阪治水事務所勤務、平成13年4月土木部土木総務課主査、同21年4月政策企画部企画室課長補佐、同26年4月大阪府市大都市局参事、 同29年4月政策企画部政策企画総務課長、同30年4月政策企画部秘書長、同31年4月政策企画部副理事(大阪市秘書部長)、令和3年4月政策企画部次長を経て現職に。近畿大学法学部卒。大阪府出身。54歳。 |
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