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住友電設 谷信社長 【2021年08月05日掲載】 |
「中計ビジョン24」達成に全力 社会から求められる総合設備企業へ |
住友電設の谷信社長はこのほど、大阪市西区の本社で就任会見を行った。6月1日付で代表取締役副社長から就任した。会見では、「中期経営計画ビジョン24の達成に尽力する」と抱負を語り、社会から求められる総合設備企業を目指した事業展開を図ることとした。 |
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就任にあたっては、自らが責任者として係わった中期経営計画ビジョンの目標達成に向け、「全力を尽くしていく」と抱負を語る。企業価値を高め、社会から求められる総合エンジニアリング企業であることを目指し、また、SDGsの視点から企業の価値が多様化する中、「全てのステークホルダーから求め続けられる企業であるためには、その価値を絶えず高めていく必要がある」ことからビジョン24の目標達成は不可欠とする。 |
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目標達成に向けては、総合設備企業グループとして技術力と施工力の底上げにより売上高の拡大を図るべく、「部門連携による総合力で顧客へのトータルサービスを拡大しながら、これまで培ってきた企業体力を成長への投資に向ける必要がある」とし、そのためには、社員一人ひとりの行動が重要となることから、その周知を図っていくとした。 |
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現在の市場環境と今後の見通しについては、情報通信部門でのIoT化と5Gの進展、大阪・関西万博への期待を示し、長期的には2050年を目標としたカーボンニュートラル社会実現に向けた脱炭酸の加速化に伴う電化への転嫁等による「追い風が期待できる」との見通しを示した。 |
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注力・成長事業については、ビジョンで掲げる「新たな成長戦略と総合力での持続的発展」のテーマの中では、情報通信と機械設備、再生可能エネルギー、海外事業を挙げる。情報通信では、5G関連事業が前倒しにより繫忙しており、IoT時代到来によるビジネスチャンスへ期待を寄せ、機械設備事業では、スミセツエンジニアリングの吸収合併により、受注活動や情報の共有を図ることで首都圏での売上高拡大に期待を示す。 |
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再生可能エネルギーでは、太陽光発電に加え風力発電の引き合いが増加しており、海外事業では、インドネシア、タイは、中長期的には有望な市場と見ており、非日系企業やローカル案件への拡大とともに、М&Aを含め事業領域拡大への取組みを進める。 |
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国内では、万博等へ戦略的な対応を図り、主力である一般電気工事での施工力強化やリニューアル・メンテナンスに注力し、「総合設備企業としての強みを発揮していく」とした。 |
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一方、社内的には、新技術習得や社員教育の充実をはかるため、2023年度に神奈川県に研修施設を開所予定。海外では、グローバル幹部社員の育成に向け現地スタッフの教育を開始したほか、国内でも定年延長等の取組みをはじめ、DXの実現と全社的なIT推進プロジェクト立ち上げなど、「オール住友電設、チーム住友電設を体現する施策を進めている」。 |
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コロナの影響については、リモート化はじめIT環境整備による投資増があった半面、工事の延期や中止、設備投資抑制による減収があり、「特に海外での影響が大きかったが、複数の大型案件の受注等により2021年3月末時点で一定水準の工事量は確保できている」とし、今後は、ワクチン接種が進むことで一定の収束が期待できることから、「業績予想でのマイナス要因は見込んでいない」とした。 |
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働き方改革については、「事業においては人が財産」であるとし、業界の課題である人材の確保・育成と働き方改革の実現のため、顧客をはじめ関係者とともに、「IT活用や仕事の進め方の改革に取り組んでいかなければならない」とし、ICT活用による労働時間削減や、施主とゼネコンを含む関係者一体となったモデル工事の実施等により、「2024年度までに年間の時間外労働時間の段階的引き下げを目指している」。 |
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二年前まで住友電工に勤務。「建設業の仕事は初めて」としながら、ビジョン24の編成に携わったことで、「事業全般を理解することができた」。抱負でもあるビジョンの目標達成のためには、「計画期間中に社会情勢にアジャストできる能力と説明力、実行する組織を構築する力が不可欠」とする。 |
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自らの行動規範は「不易流行」。住友電設の企業理念等の変えてはいけない部分(不易)と、社会情勢の変化等により変えなければいけない部分(流行)があるとしながら、変革にあたっては「大胆にスピード感を持って変えていきたい」。 |
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