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日本建設業連合会 加賀田健司 関西支部長 【2021年06月21日掲載】 |
新たな建設業の形目指す 担い手確保・働き方改革・DX |
「日建連が設立されて10年という節目の年に支部長に就任したことは光栄でもあり、重責に身の引き締まる思い」と就任にあたっての心情を述べるとともに、コロナに対応しながら工事を進めている建設業界の現状を踏まえ、「工事を実施することで経済の下支えに取り組んでいると自負しており、今後も発注者の期待に沿えるよう着実に施工していきたい」と抱負を語る。 |
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支部活動については、「各委員会が中心となるが、そのためには委員会メンバーの結束が重要」とし、昨年は各種の講習会や発注者との意見交換会等の活動が制限された反面、リモート会議等により、「講習会参加者がかえって増えた」との効果もあったことから、「今後は、行動様式や考え方がニューノーマルに変化していく状況に合わせた支部活動を実践していきたい」とした。 |
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支部の運営に関しては、本部の活動方針に則ったものを基本としながら、コロナにより中止していた現場見学会や講習会を積極的に実施する意向を示し、特に見学会は「現場あっての建設業であり、本部も広報活動は重要な役割の一つとしていることからしっかりとやっていきたい」。 |
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業界の課題となっている担い手の確保については、「技能労働者の処遇改善につながる技能評価や設計労務単価の引き上げに連動するもの」として、建設キャリアアップシステムへの取組みを挙げ、2023年度から原則、全ての工事で運用するとした国土交通省の方針に全面的に協力するとして、システム構築を目指して、「目標年度までに協力会社も含めて指導を進め、担い手確保や処遇改善につなげていきたい」。 |
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働き方改革への取組みでは、2024年の時間外労働の上限規制への対応が「待ったなしの状況」との認識を示し、労働時間短縮と週休2日、現場での4週8閉所の達成に向け、「今、この時期にやらなければいつやるのか、との認識を持って取組みを加速させていく」と意欲を見せながら、取組みにあたっては、「現場従事者の収入減にならないよう、協力会社としっかりとコミュニケーションをとっていきたい」とした。 |
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また、建設分野でのDX(デジタル/トランスフォーメーション)に関しては、BIM/CIMやICT、無人化施工等の取組みを総動員し、「ニューノーマルに対応できる新たな建設業の形を目指して積極的に取り組んでいきたい」との姿勢を見せる。 |
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取組みでは、今年4月に近畿地方整備局内開設されたに近畿インフラDXセンターを活用することで、「DXが建設現場に広く普及推進する契機になる」とし、センターが実施する研修等への参加を支部会員各社に広報するとともに、業界全体で推進していくとした。 |
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このほか、「日建連としても重要な活動の一つ」と位置付ける災害対応に関しては、2017年に近畿管内の府県と政令市との間に締結した災害協定に基づき、「大規模災害発災時には、我々に課せられた社会的使命を遺憾なく発揮できるよう万全の体制で臨んでいく」とし、防災・減災対策に係る国土強靱化5か年加速化対策を踏まえて防災インフラの強化に貢献できるよう取組みを進めていくとした。 |
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一方、関西の状況については、「首都圏や中京圏に比べてインフラ整備が不十分だ」と指摘。このため、北大阪急行延伸工事やなにわ筋線等の鉄道インフラ、大阪湾岸線西伸部や大阪湾岸連絡線、淀川左岸線等の道路整備とともに、リニア中央新幹線や北陸新幹線大阪延伸効果により新大阪駅周辺の再開発等を挙げながら、「これらインフラ整備の進展が関西発展に寄与するものと考えている」と期待を寄せる。 |
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さらに、大阪・関西万博やIR誘致の機運が醸成される中、特に万博については、「国家プロジェクトであり関西の発展を加速化させる重要なプロジェクトで、さらにIRも誘致が決まれば周辺インフラ整備と発展に期待がかかる」とした。 |
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入社後はダム、橋梁、鉄道等の現場に携わり、関西での勤務は「阪神淡路大震災の復旧工事が初めて」とし、自然の猛威に対する人間の小ささを痛感するとともに、「復旧工事に携わったことが一番の思い出」と印象を語る。 |
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趣味は、土木遺産等の歴史的建造物巡りと夏は山登り、ゴルフ、冬はスキーなど。モットーは、自然体であること。若者に対しては、「常に新しいことにチャレンジしてほしい」とメッセージを贈る。 |
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