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大阪府塗装工業協同組合 川原貞儀理事長 【2019年06月20日掲載】 |
技能検定と職人育成が一番の課題 技量持たぬ不適格業者の排除を |
大阪府塗装工業協同組合の川原貞儀理事長は、このほど日刊建設新聞のインタビューに応じ、理事長就任後の1年を振り返るとともに、塗装業界の現状と課題について語った。組合の課題として組合員の増強を挙げながら、無資格者の工事参入など、「適正な業者と区分する必要がある」と述べ、組合として行政に訴えていきたいとした。 |
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日本一の行動力で活動 | |
■この1年の組合活動を振り返って。 |
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組合独自の活動をはじめ、他組合と連携した事業を実施しているが、当組合としては、府内の中学校を対象に、年間で4〜5校の壁塗替えをボランティアで実施しており、その合間にイベント等へも参加協力している。実施にあたっては、組合員の協力なしでは実施できず感謝しかない。これら活動を通して他の塗装組合の中でも我々の行動力は日本一だと自負しています。今年度の活動については、新たな取組みよりも現在の事業の積み重ねで、基本的には昨年度の活動を継続していくこととなるが、ただ、ボランティア事業に関しては対象ややり方を工夫していきたいと思っている。 |
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■課題としては。 |
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技能検定と職人育成が一番の課題とみている。技能検定に関しては、現在、2級の受験資格で2年、1級は7年の実務経験が必要ですが、かつてと比べかなり短縮されている。このため、未熟な受検者が増えてきている。特に他県では、施工管理技士の資格で元請技術者の受検者が増えているが、当然合格するはずもなく、全体の合格率を下げるだけで、塗装工全体のレベルが低下しているようにみられている。 |
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■なるほど。 |
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組合としての課題は組合員をいかに増やすかだ。私が役員になった当時、組合員数は230社程でしたが、昨年の理事長就任時では100社前後にまで減っている。退会の原因は、いろいろあるが、景気の低迷による事業縮小や後継者がいないことから廃業するケースが多くなっている。かつては老舗といわれた業者でも廃業したところもあり、後継者問題は、特に我々のような地場業者にとっては大きな問題となっている。 |
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■後継者もそうですが、担い手の確保も課題です。 |
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担い手確保については、組合が主体となるより、組合員各社での対応になる。人手不足は塗装業界だけでなく、建設業全体の課題であり、さらに言えば他産業でも同様だろう。ただ、時代の変化には対応する必要はあり、塗装業界でも外国人労働者が増えつつあり、今後は外国人労働者に頼らざるをえなくなるだろうとみている。ただ、その場合でも自社で職人を持っていることが必要で、単に便利使いではなく、きちんと指導する職人がいります。 |
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例外なく保険加入を | |
■組合に加入しない業者も多い。 |
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相当多数いると思っている。加入しない業者の言い分は、「組合に加入すれば仕事が貰えるのか」と言います。組合員の場合、社会保険等は勿論、資格を持った塗装工を抱えていますが、非加盟業者の多くは社会保険加入にも無関心のところも多い。このため民間工事では非加盟業者が低価格で参入してきている。特にリフォーム会社が一般住宅の外壁塗替を行うとき、そういった業者に仕事を任せるケースがあり、その場合、未熟練の塗装工が担当することが多々ある。 |
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■技量の差がハッキリしますね。 |
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通常の塗装業者であれば、色塗りからコーキング、艶出しまで全てでき、色塗りの場合でも最初に色見本帳を提示します。また、場合によってはちょっとした修理も頼まれることもあるが、そういったこともなく、ただ色塗りと艶出ししかできない。 |
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前の万博の教訓生かす | |
■さて、大阪では万博やIR誘致等により工事量の増加が見込まれます。理事長は前回の万博も経験されておりますが、その辺の対応はどのようにお考えですか。 |
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前回はとにかく忙しかった。朝は8時から夜は9時か10時頃まで交代制でやっていました。単価も高かったことから賃金を上げて人を集めたが、万博が開幕した後はパタッと仕事がなくなった。当社の場合、1カ月で10日程度しか仕事がなかったが、かといって給料を減らすわけにもいかず、万博工事での利益を吐き出す結果となった。職人を持たない業者はそれでいいかもしれないが、職人を抱えている業者はそうはいかなかった。 |
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■ありがとうございました。 |
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