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大阪府都市整備部 部長 森岡武一氏 【2019年06月24日掲載】 |
三大水門の更新事業に着手 成長支えるインフラ整備加速 |
「都市整備部の使命は、大阪、関西の成長と府民の安全安心の確保であり、これを実現するため組織が最大限の機能を発揮できるよう、私なりに誠心誠意取り組んでいきます」と抱負を語る。4月15日付で部長に就任した。 |
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今年度の事業については、昨年度からの災害復旧作業の早期完了と、国の防災・減災、国土強靱化のための3ヵ年緊急対策への対応が「大きなものとなる」とし、今後は、万博に向けた工事も順次始まることから、都市整備部としては関連事業への取組みも課題となるが、「これらを契機に大阪のインフラ整備が加速すればと思っています」。 |
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重点事業では、関西の成長を支えるインフラの強化を挙げる。道路事業では、大和川線の来春の供用に向けた取組みを進めるとともに、淀川左岸線延伸部は設計や大深度地下使用法の申請に向けた調査を促進するとし、新名神高速道路に関しては、アクセス道路の府道長尾八幡線の整備を推進する。 |
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特に大和川線や淀川左岸線延伸部については、「都市再生環状道路を形成し、阪神高速の環状線に集中している交通を緩和する上でも大きな路線」と期待を寄せる。 |
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鉄道事業に関しては、なにわ筋線では、都市計画決定や工事施行認可への取組みを進め、大阪モノレール延伸では、都市計画事業認可など早期着工を目指す。このほか連続立体交差事業では、東大阪市での近鉄東大阪線、高石市の南海本線・高師浜線、さらに寝屋川市・枚方市での京阪本線や、摂津市での阪急京都線も事業着手されており、「これら事業は息の長い事業となりますが、着実に進めていきたい」と語る。 |
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府民の暮らしを守る安全安心では、南海トラフ巨大地震対策として実施している防潮堤液状化対策を着実に進めるとともに、今年度から三大水門の更新事業に着手する。「三大水門は老朽化が進んでおり、津波への対応力を強化する上でも必要な事業となっています」。 |
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昨年の台風21号では第2室戸台風以来の最高潮位が記録されたが、三大水門はじめ陸閘等により浸水被害を食い止めることができたことに触れ、「これら施設を50年前に整備された先人や、維持管理を実施してきた先輩方には感謝しかなく、今度は我々が次の世代に残していかなければなりません」と改めてインフラ整備の必要性を訴える。 |
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このほか、治水事業の寝屋川北部地下河川では、今年3月に大深度地下使用について国の認可を取得したことから、城北立坑の工事着工を予定している。「全国では初めての事例で、立坑も日本で一番深いものとなることから技術的にも難易度が高くなると予想されます」。 |
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一方、維持管理事業についても「大きなミッション」とする。トータルコストを考えた場合、予防保全は効果があるとし、実施にあたっては、長寿命化計画に基づき着実に進めることとし、三大水門はじめ府が管理する橋梁等についてはインフラマネジメントにより、「改修か補修、或いは更新かを検証しながら、メリハリを付けて行っていきます」と戦略的に取り組むこととした。 |
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また、賑わいの創出として、民間活力による府営公園の活性化にも取り組む。来年度の公募に向け今年度は事前提案募集を実施、「府としては集客力を高め、民間事業者には収益を上げてもらえるような提案をいただければと思っています」。さらに、港湾ではクルーズ船の誘致に引き続き取り組んでいくとした。 |
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入庁以来、主に土木畑を中心に、商工部や総務部、政策企画部等でも業務に携わってきた。当初は、学校で学んだことと実際の業務の違いから、慣れるまでが大変だったとしながら、「上司や先輩に助けられ、教えてもらいながらやってこれた」とし、 特に、土木事務所では、地元調整や業者とのやり取りなど、「いろんなことをやらせていただいたが、どんな経験も現在の役に立っている」。 |
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印象に残ることは、道路室長時代に、「なにわ筋線と淀川左岸線延伸部の事業化に携われたことは良い思い出」と振り返る。また、土木事務所など、出先と本庁を両方経験したことが、事業全体を見渡すことができ、「俯瞰して見ることの重要性を学んだ」。 |
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モットーは、鳥の目・虫の目・魚の目。物事を至近距離から見る虫の目、全体を見渡す鳥の目、世の中の流れの中から見る魚の目で、「これまでの経験を通して得たもの」とする。趣味はゴルフと映画鑑賞。 |
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