日刊建設新聞社 CO−PRESS.COM |
大阪府万博誘致推進室 露口正夫室長 【平成30年07月30日掲載】 |
「大阪万博」実現へ!ラストスパート 国内の機運醸成、盛り上がりに手応え オールジャパン体制で海外プロモーション |
2025年国際博覧会の大阪開催を目指す大阪府。現在では、国と経済界、会場となる夢洲を管轄する大阪市と‘三位一体‘となって国内外で積極的に誘致活動を行っている。誘致活動にあたり、行政や民間団体等の調整役となるのが大阪府万博誘致推進室で、露口正夫室長の下、これまで海外プロモーションや国内における機運醸成をサポートしてきた。11月にはBIE(博覧会事務局)加盟国による投票で開催地が決定するが、「オールジャパン体制で取組みを進めていく」と語る露口室長に、これまでの経緯とラストスパートへの決意を聞いた。 |
28年から本格始動 |
■まず、誘致活動に至るまでの経緯からお聞かせ下さい。 |
平成26年に府議会の会派から国際博覧会誘致の提案があったことから始まりました。それを受け庁内で事務的な検討を始めました。その結果、いろいろと課題はあるものの、誘致した場合の効果が非常に高いとされ、知事も意欲を示されたことから、平成27年には、開催可能性を検討するため、専門家を交え、実際にどういった意義や課題があるのかを議論する場を設け、8月末ごろに一応の整理が行われました。 |
■なるほど。 |
それを受け、我々としても地元として、開催地も含めた基本構想を作成するため、6月に経済界の方もメンバーに入っていただき検討会議を立ち上げ具体的な議論を始めました。同年11月には、「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに会場を夢洲とし、3000万人程度の来場者を見込んだ基本構想府案をまとめ、政府に提出しました。これに併せ地元として誘致委員会の前身となる準備会を設立して誘致を加速させることになりました。 |
府市一体となって |
■大阪府の推進室の設立は。 |
府の誘致推進室は平成28年11月に設置されました。それまでは企画室に担当者を置き、動いていました。推進室の役割としては、誘致委員会の事務局として機能しています。委員会のメンバーが海外のプロモーションやイベント参加時の事務的サポートや、誘致委員会を構成する行政や民間団体等の総合調整を行う役割もあります。さらに東京の本部と連絡しながら国との連絡調整も行っています。 |
■大阪市にも誘致推進室がありますが。 |
大阪市は、開催予定地である夢洲を管轄している自治体であり、管轄する上で市役所内部の各部局との調整、我々との情報共有等を行う役割があります。吉村市長も誘致委員会の副会長であり、府と一体となって取り組んでいます。 |
■11月に開催地を決める投票がありますが、それまでの活動は。 |
大きく分けて二つあります。一つは、BIE加盟国へ投票を働きかけるための海外でのプロモーション活動、もう一つは国内の機運を盛り上げるための活動です。もともとこの二本柱で取組みを進めてきましたが、これをさらに深めていきます。海外プロモーションについては、これまでもBIE総会に知事などが出席してPRに努めてきました。また吉村市長には、アフリカで開催されたTICAD(アフリカ開発会議)に出席していただき、プロモーションを行っていただきました。 |
SNSも利用して |
■地球規模での誘致活動ですね。 |
機運醸成に関しては、ロゴマークのポスターを鉄道駅や繁華街に張り出し、バッジやステッカーを作成してバスやタクシーにも貼っていただくなど、定着しております。また、賛同者も120万人を超えており、さらに増やしていきます。このほか、SNSを利用して海外にも発信して関心を高めるような取組みも実施しています。 |
■国内の盛り上がりが決め手になると伺ったことがあります。 |
そうですね。一時はフランスが多くの署名を集め、優勢だと言われており、こちらとしても、それを上回る署名を集めようと活動しました。ただ、署名活動では単に名前を書くだけではなく、開催が決定した後も、それらの方々にサポーターになっていただくなど連携することも必要だと考えています。 |
■大阪としては70年万博の経験は強みになる。 |
そういった形にしなければいけないとは思っています。ロシアもアゼルバイジャンも初開催をアピールしていますが、大阪としては、前回をはじめつくば博や花博、愛知万博等の経験を活かしながら、「新しい万博」を全面的に打ち出し、世界に貢献できる博覧会を実現するためのノウハウを有していることを訴えていきます。世界的な課題解決に資するもの、国連が掲げる「持続可能な開発」を万博で実現することを発信していきます。 |
■実現に向けて尽力下さい。ありがとうございました。 |
Copyright (C) NIKKAN KENSETSU SHINBUNSHA. All Rights Reserved.
当サイトを利用した結果に関するトラブルなどに関しては、当社としては一切責任をとりかねます。