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大阪府港湾局 中尾恵昭局長 【平成22年3月29日掲載】 |
諸港一体で国際競争力強化へ ポートセールスに取り組む |
スーパー中枢港湾や一開港化など、港湾サービスの向上に向けた各種の施策が進展する大阪湾にあって、堺泉北港や阪南港をはじめとする八つの港を統括する大阪府港湾局では、背後の地域特性や立地を生かした港湾整備に努めながら、企業誘致などのポートセールスにも力を注ぐ。その陣頭に立つ中尾恵昭局長に、大阪湾岸における府営港湾の役割や現況、今後の整備方針などを聞いた。 |
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■現在、大阪湾では、スーパー中枢港湾や一開港化などの取り組みが順次進められてきていますが、その中で、大阪府営港湾が果たす役割からお聞かせ下さい。 |
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中尾局長 | ||
国際競争力を強化するため、阪神港として大阪港と神戸港によるスーパー中枢港湾の取り組みが進められるとともに、大阪湾諸港による一開港化が既に実現しています。このうち、府営港湾では、一開港化に伴い入港料減額による港湾利用コストの低減や港湾手続きの統一化などで連携していますが、大きな枠組みの中では、例えば大阪港や神戸港がコンテナ基幹航路の強化・拡充に取り組む上で補完機能的な役割を果たすことなども考えられます。 |
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■国際競争力を高める上で連携は不可欠です。 |
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中尾局長 | ||
近年、中国をはじめとするアジア主要港の成長が著しく、一方で日本発着の欧米向けコンテナ貨物の多くが釜山や高雄等を経由する海外トランシップにシフトしてきており、大阪港や神戸港の相対的地位が低下しています。これを取り戻すことが必要であり、そのためにも、国土交通省が6月に選定を予定している国際コンテナ戦略港湾に阪神港が指定されるよう、現在、大阪湾諸港が一体となって取り組みを進めています。 |
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■堺泉北港や阪南港をはじめとする各港の現況は。 |
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中尾局長 | ||
堺泉北港の堺浜ではシャープの液晶工場が稼動しています。また直轄事業で基幹的広域防災拠点として耐震強化岸壁、臨港道路、緑地の整備が行われており、先頃にはそのうち臨港道路が供用を開始しました。阪南港では昨年、阪南二区のちきりアイランドがまちびらき致しました。また、泉大津フェニックスでも一部区域で企業の立地や利用が進んでおり、そうした企業ニーズに合わせた岸壁整備などを行っています。 |
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■企業誘致の状況はどのように。 |
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中尾局長 | ||
在来地区では、従来からのエネルギー産業をはじめとする各種産業が立地しています。企業誘致は埋立による造成地を中心に府としてポートセールスに取り組んでいます。府営港湾のセールスポイントとしては交通アクセスの充実が上げられます。阪神高速湾岸線や阪和自動車道などとともに関連道路も充実しています。港勢を伸ばすには港湾単独では無理があり、やはり道路との連携が不可欠です。 |
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■関空関連では泉州港もあります。 |
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中尾局長 | ||
二期島の造成に伴い、二期島の北西部に位置する北港地区において計画をしています。関空二期事業に伴う旅客・貨物の増加に対応するためのものですが、ご承知のように、関空を取り巻く社会情勢が変化しつつあり、関空に直結する泉州港の整備についてもこの動向を睨みながらのものとなります。 |
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■府営港湾全体としての整備方向は。 |
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中尾局長 | ||
府の財政状況が厳しい中、港湾の運営にあたっては経営の観点からの取り組みも必要となります。このため港湾局の取り組みとしては、 阪南二区やフェニックスの開発の進捗にあわせた企業誘致と利活用に努めながら、施設整備については、今後、既存施設の維持管理と予防保全に力を入れていくことに なると考えています。 |
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■自然災害等に対する取り組みは。 |
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中尾局長 | ||
まず台風による高潮の対策及び津波の対策として防潮堤の整備があります。整備内容としては防潮堤の嵩上げ、護岸における老朽化した 鋼矢板の打ち替えなどです。現在府が管理する海岸の延長は約74キロで、このうち約65キロで高潮対策が整備済みです。一方、津波対策については、 ほぼ整備を完了しています。また、遠隔操作による水門の自動開閉を五カ所で実施する外、遠隔監視化など水門等の機能の高度化を行い、防災システムの構築に務めています。 さらに、緊急時の職員出動体制の訓練や市町と連携した水門等の閉鎖訓練など、体制の充実に務めています。 |
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■港湾整備における発注にあたっては。 |
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中尾局長 | ||
港湾工事では特殊技術を要する場合もあり、その結果技術を有する業者もある程度限られてきます。入札にあたり府では、 公平性や競争性を確保して実施していますが、施工にあたっては、公共事業であることから、着実に工事スケジュールをこなして仕上げていただく必要があると思います。 |
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■今後も府営港湾の機能拡充にご尽力下さい。ありがとうございました。 |
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