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interview
大阪府都市整備部 井上章部長  【平成22年1月25日掲載】

大阪の魅力アップへ着々

来年度事業 維持管理中心に選択と集中

今年度実績 マニフェストほぼ目標通り 


財政再建下での事業執行には多くの苦労が伴うが、いかなる状況にあってもインフラ整備の後退は許されない。 大阪府における都市基盤整備を担う大阪府都市整備部では、井上章部長の下、マニフェストに掲げた目標達成に向け職員が一丸となって事業に取り組んでいる。 その井上部長に、今年度事業の進捗や来年度予算に係る施策などを聞いた。(渡辺真也)

■財政再建下での事業執行には、いろいろとご苦労があるとは思いますが、初めに今年度事業の経過からお聞かせ下さい。

井上部長

今年度特に戦略的に取り組む事項について知事と約束し、部長マニフェストとして府民に公表いたしました。 その中では.広域交通ネットワークの形成、大阪の魅力づくり・地域の再生、国直轄事業制度の抜本的改革と.資産活用による財源確保の推進の四つを目標に掲げました。 広域交通ネットワークづくりでは昨年、なにわ筋線に関する都市鉄道調査がスタートしました。また、今年三月に第二京阪道路が供用します。 大阪の魅力づくりでは、水都大阪2009が開催され、来訪者数も190万人に達し、目標の100万人を達成できました。これに関連して 八軒家浜の整備や中之島バンクスのプレオープンなど、水辺の賑わいづくりが進んでいることからさらに活性化を図っていきます。

■水都大阪では多くのイベントや試み、ライトアップなどもあり賑やかでした。

井上部長

また地域力の再生として、四月に各土木事務所に地域支援課を設置し、民間耐震化促進の広報活動や校庭の芝生化など、 地域に根ざした幅広い活動を実施しており、この活動をさらに充実させて地域力の再生につなげていきたいと考えております。 また国直轄事業では、来年度は維持管理費の地方負担が廃止になる見通しで今後も新政権に期待するところです。 財源確保につきましては厳しい情勢ではありましたが、なんとか目標を達成しようと全職員が努力しております。

■今年度は槇尾川ダムが本体着工し、津波・高潮ステーションがオープンしました。

井上部長

そうですね、現場が動き出しました。津波・高潮ステーションは十二月中に来訪者が一万人を突破しました。 今後も小中学生の社会見学などに利用していただければと願っております。 先程の第二京阪道路でも大阪府の街路事業も順調に進捗しましたし、中央環状線の鳥飼大橋の北行きも第二京阪に先立って二月に供用を開始します。

■自主財源の確保には苦労されたのでは。

井上部長

職員が頑張ってくれています。昨年10月には、道路予定地の貸し付けによるコンビニが開業いたしました。 これまでの進捗状況を見ますと、部長マニフェストに掲げた目標については、ほぼ計画通りに進んでいるのかなと思っております。ただ、 なにわ筋線のようにスパンの長い目標もありますから、一歩ずつ進めていこうと思っております。

■さて、来年度事業ですが事業費は減額予算になりますね。

井上部長

予算編成要領により、一般財源ベースで一律5%のシーリングに加え、部局の裁量でさらに5%の計10%を削減しての予算要求となっており、 今年度比で90%の規模になります。既に財政再建プログラム(案)により、事業費ベースで建設事業80%、維持管理で90%の削減を行っておりますので、 ここからさらに削減するとなると非常に厳しい状況で、休止やペースダウンせざるをえない事業が出てくる可能性はあります。特に維持管理は継続性が重要なため、 建設系に影響する恐れはありますね。

■事業配分はどのように。

井上部長

まず維持管理に必要な額を確保し、建設系において選択と集中の絞込みを行った上で予算要求をしました。 建設系では、発注済事業や用地の買戻し、また連立事業のように民間等との共同事業でペースダウンにより支障をきたすもの、 来年度末やこの先二〜三年で供用開始が見込まれる事業を優先することになりますね。確保する自主財源については 維持管理のプラスアルファ分として活用することになります。

■入札での予定価格を下回った差額分も活用する。

井上部長

総務部との約束で、事業の区分ごとに落札率が70%までについては事業推進に活用しますが、下回った場合については返納になります。 ただ、これまではそのケースがなく事業費として活用しております。

■新規事業として目玉はありますか。

井上部長

先程も申しましたが、どんどん新たな事業に着手する状況にはなく、継続事業への影響を抑え、投資効果の高いものについて進めていくことになりますが、 知事重点事業である「みどりの風を感じるまちづくり事業」では、昨年末に「みどりの大阪推進計画」を策定し、来年度はそれに沿って実施する予定です。 これは、西に海、東に山がある大阪のまちの特性を活かし、道路と沿道の一体的な緑化などを行い、海から山につながるみどりの軸を形成するものです。

■具体的には

井上部長

例えば淀川や中央環状線、第二京阪道路など大きな公共施設が線的につながる部分の緑化を重点的に行い、 周辺に存在する公園や民有地の緑を取り込んで連続的なみどりの風の道を形成するもので、今年度中に具体的な行動計画であるアクションプランを策定します。 長期的にはビルの建て替えに併せた街並み形成なども都市計画の中に位置付けていければ、と考えています。

■厳しい状況ですが今後も良質なインフラ整備にご尽力下さい。



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