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interview
大阪府住宅町づくり部 吉田敏昭部長  【平成22年1月18日掲載】


マニフェスト 4つの視点で取り組み

大来年度は泉北ニュータウン再生に着手


大阪のまちづくりを先導する大阪府住宅まちづくり部では、限られた予算の中でも効率的な事業執行に努め、安全で安心な住みよいまちづくりに向け各種の施策を推進している。大阪府の建築行政をリードする同部の吉田敏昭部長は、府民との約束であるマニフェストの実現に向けた取り組みを展開しているが、その吉田部長に今年度事業の成果や来年度の見通しなどについて聞いた。
 (渡辺真也)

■まずは、昨年に実施された主な事業についでお聞かせ下さい。

吉田部長

事業にあたっては部としてのマニフェストを作成し、その中では、安全・安心と居住魅力の向上、住宅まちづくり部が所管する資産の活用と効率的に事業執行をするための業務改革‐の四つの視点で取り組むこととしました。安全・安心については耐震化率向上を目指し、特に民間木造住宅に対しては府民の認識を高めるため、今年度からは七つの土木事務所に建築職員を配置して耐震化促進に向けた取り組みを実施しています。府有施設に関しては計画的な取り組みが必要なため、実施計画の策定を進めています。

■居住魅力の向上における取り組みでは。

吉田部長

府営住宅に関しては入居者の高齢化に伴うコミュニティの在り方が課題となっており、これにつきましては現在、審議会で諮っており今年度末には答申をいただく予定です。また、まちづくりの面では、住宅まちづくり部が所管する彩都について府が所有するシンボルゾーンである中部地区に関して、土地の利用に応じた造成を行うため、企業誘致に関しての市場調査を実施したところ、ある程度の手ごたえがありました。今後も誘致に向けた取り組みを進めていきます。タウン事業は、りんくうタウンで九割の企業立地、阪南スカイタウンで八割五分の企業立地及び宅地分譲が進みました。今後も、二十三年度の事業収束に向け、まちづくりの完成を目指してまいります。

■府営住宅等の整備については。

吉田部長

公的住宅では管理戸数の在り方について議論を進めております。また耐震改修や現地建て替えが困難な団地については廃止することとしております。密集度の高い高層住宅においては、耐震改修が技術的に困難な上、建て替えが難しく現有戸数を確保しながら、周辺地域の他の府営住宅や都市機構の住宅への移転を図ります。このため居住者の方々を支援するためのチームを今年度に立ち上げるとともに、来年度は廃止に伴う移転に係る予算要求もしております。

■資産活用と業務改革ではどのように。

吉田部長

資産活用につきましては府営住宅の建て替えに伴う土地の有効利用とPFI事業の民活プロジェクトを引き続き実施いたします。さらに府営住宅駐車場の有効活用として空き区画を一般開放するため、民間事業者への貸付等を行っております。業務改革では府営住宅への指定管理者制度の導入です。1千戸、5千戸、1万5千戸と三地域の各団地を対象にモデル的に試行するためのもので、12月末に、それぞれの指定管理者の候補者を決定しました。このほか建設業許可申請受け付け業務を市場化テストにより四月から民間開放しており、来年度は宅建業で予定しております。

■来年度事業では新規取組として泉北ニュータウン再生事業が予定されていますが。

吉田部長

知事重点事業の一つで、泉北高速鉄道泉ヶ丘駅周辺地域の再整備、泉北高速鉄道等の利便性向上、さらに泉北ニュータウンの中で6割を占める公共住宅の再生をどうするかがテーマになります。

■再生にあたっての方針は。

吉田部長

方向性の一つとしては、泉北ニュータウンを一つの団地と捉えトータルでの再生計画を考えており、再生計画策定のための予算要求をしております。そのためにはURとの連携も必要で今後、再編整備計画を策定する中で議論していきます。また、先程の泉ヶ丘駅周辺整備のビジョンづくりについても予算要求をしております。その他様々な課題への取り組みが必要で、このため大阪府と堺市が連携した協議会を3月に設立し、22年度に全体のビジョンや再生計画を作成し、23年度以降から具体的に進めていきたいと考えております。

■なるほど

吉田部長

府営住宅については府営住宅ストック総合活用計画に基づき、建て替えや耐震改修を計画通りに進めるべく予算要求しておりますが、府営住宅ストック総合活用計画は23年度に見直しを行うこととなっており、審議会で意見を伺いながら必要に応じて計画変更を行います。来年度はこのほか、用地活用で建て替えによる余剰地以外の用地での活用を図るため、全団地を対象に調査を行い、低未利用地の売り払いや貸し付けを予定しております。これについては今年度に国の緊急雇用対策事業を活用して見直しとなる対象地をピックアップします。また鉄道駅のバリアフリー化については、国の経済対策事業も活用して今年度はさらに進めることができ、来年度は四ヵ所で予定しております。

■来年度も魅力ある大阪のまちづくりに向けご尽力下さい。



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