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UR都市機構 西日本支社長 村上卓也氏  【2022年08月25日掲載】

未来のまちへ舞台装置創り

ポストうめきた≠フ事業さぐる


 「関西での勤務は初めてで、まずは支社管内を見て回り、地域の特性を感じていきたい」としながら、就任にあたっては、コロナなど、想像しえない事が起こる時代にあって、「それらに対してまちはどういったことを目指していくのかを追求し、本来あるべきまちの姿、住んで、活動してこそがまちであり、それらを誘発できるような舞台装置を創ることができれば」と抱負を語る。

 その取組みには、「住民の方はもとより、行政や民間事業者の方々とどうやってコラボレーションできるかがキーになると思っている」とし、URとして、「それらステークホルダーとの会話を通してまちづくりのお手伝いができれば」とした。

 西日本支社については「URが行う賃貸住宅と都市再生の業務がワンパッケージ化された全国でも一番大きな支社」としながらも、「組織体制が縦割で、横のつながりが少ない」ことが課題とする。社会情勢の変化が速く、激しくなる中では、これまでの枠組みだけでは対応できなくなり、このため部門や所属にこだわらずフラットに議論ができ、「いろんな意見をうまく取り入れられるようなた体制づくり」が自身の役割とした。

 事業については、賃貸住宅事業では、ここ10年間で稼働率が向上し、空家から入居までの時間圧縮、効率的な修繕など、「工事関係者ほか皆様の努力により好調に推移している」とする一方で、今後は、高度成長期に整備された多くのストックの老朽化と居住者の高齢化への対応が課題として挙げる。

 「現在、お住まい方の多くは団塊世代の方々で、それらの方々が退去された後の方針が明確に定まっていない」ことから、これまで同一水準で実施していたサービスを、全体のボリューム減少に伴い、「団地やエリア毎にマーケティングして実施していかないと回らなくなり、その辺の道筋を付けていくことが必要」とした。

 また、アセットマネジメントにしても、家族数や世帯数が少なくなると、ある程度絞っていく必要が出てくる。「これまでは建替事業や集約事業を行ってきましたが、居住者の方々のことを考えると、事業期間短縮のための工夫ができないものかと思っています」。

 都市再生事業では、これまでうめきたがメインとなっていたが、「ポストうめきたとなる事業を1つでも2つでも仕込めればと、行政や各事業者の方々と議論していければと思っています」と述べ、新たな事業として、昨年から動き出した神戸市の三宮再整備事業等へ期待を寄せる。

 このほか、広島や四国等の地方都市で事業支援に取り組んでいるが、「地方都市の場合、URのノウハウを活かし、どういったまちづくりを提案できるかが課題」とする。地方都市の抱える課題は、その周辺から都心部にも波及するとし、「そこでの課題解決に資する処方箋が提示できれば、その後の都市部に対する課題への対応策になると思っています」との見方を示し、時間はかかるとした上で「地元自治体や事業者、住民の方々も含めたコンセンサスを踏まえて議論する必要があります」。

 一方、関西のまちづくりについては、市場規模や需要の観点から、「単純なスクラップアンドビルドではないまちづくり」とする方向性を示し、「その時代に合った内容に変えていけるようにすれば」と語る。

 また、都心部であっても残すべき街並み、例えば商店街等の大阪の文化、アイデンティティの様な部分を残しながら、「リプレイすべきところはリプレイすればいいのでは」とし、緑化については、「うめきたのように都心に大きな公園ができることは非常に価値が高い」と指摘、河川を活用した水辺づくりなどオープンスペースの設置も必要とした。

 仕事にあたっては目標と目的の違いを明確にしながら、単に仕事をこなすのではなく、楽しく、異業種の方と交流し、自ら考えて―の3つを心掛けているとする。

 思い出の仕事では、造園工事の契約部門を担当していた当時、東京の特定再開発事業で構造物の一部をアートで造形するファーレ立川アートプロジェクトに関わり、「今でも地元の方に親しまれている」ことを挙げる。趣味は、野球やサッカー等のスポーツ観戦。

 

 村上卓也(むらかみ・たくや)
 昭和60年3月千葉大学造園学科卒、同年4月住宅・都市整備公団採用、平成17年7月独立行政法人都市再生機構東日本支社業務第二部建替計画第2チームリーダー、同19年6月東京都心支社業務第1ユニット市街地整備第1チームリーダー、同21年6月本社業務第二部団地再生計画チームリーダー、同22年7月本社団地再生部団地再生計画チームリーダー、同24年4月東日本都市再生本部第3エリアマネージャー、同25年4月同本部都心業務第2部長、同27年4月同本部事業企画部長、同29年4月本社ストック事業推進部長、令和2年7月東日本都市再生本部長、同4年4月同本部付。60歳。



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