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戸田建設株式会社 大阪支店長 三宅正人氏  【平成31年02月25日掲載】

関西を元気にする新分野へ

社員一人ひとりの生産性を向上


 「古くからのお付き合いがある重要得意先との関係を保ちながら、今後の成長が見込まれる新しい分野へも挑戦したい」と就任にあたっての抱負を語る。新たな分野としては、ヘルスケア、万博・IR関連、交通インフラの3つを挙げ、「今後の大阪、関西を元気にする、関西発展の基盤となる仕事」に意欲を示す。

 自身は建築出身だが、今後は土木も統括するため、建築・土木のバランスを取りながら事業を進めていくとともに、官庁工事にも注視し、「できるだけ実績を積み上げ、次に繋げていきたい」と挑戦していく構えだ。

 支店の状況については、社員のポテンシャルは高いとし、その中で、「個々が持つ力をリンクさせ、目標を持ち、部署間の垣根を越えて組織としてベクトルを同じにしたい」と述べ、その環境を整えるのが「自身の役割」とする。

 業務にあたっては、支店の管轄が近畿はもとより福井、石川、富山まで含むことから、「協力会社の地域性も考慮し、一カ所に集中せず、各地域に目を配りながら仕事を確保していきたい」とし、場合によっては、隣接地域と連携・協力して取り組むこととした。

 現在の状況については、「生産施設やホテル等の民間工事、公共工事も含め全体的に受注は好調」としながら、5年後、10年後を見据えた場合、「受注だけに頼っていれば安定した経営は望めない」と指摘、このため、不動産事業や維持管理事業も含めた、「建物を建てるだけなく、完成後も利益が上がるような仕事を自らが創り出すことも必要」と戦略的な仕事づくりも視野に入れる。

 課題となっている人材不足等に対しては、他支店との間で社員の相互派遣により対応するとしながら、戦略事業に注力するためにも生産性向上は不可欠なため、「社員一人ひとりの生産性を向上させていきたい」。また、女性活躍では、協力会社も含めた女性メンバーによる「とだ小町osaka」を結成し、2016年から活動を続けているほか、協力会社の人材育成にも取り組んでいるとした。

 一方、同社では、生産性向上や業務の効率化等を図るため、全社的に様々な取組みを実施している。その中で、作業員の体調管理として、脈拍や血圧、心拍数等を計測するセンサデバイスをヘルメットに装着し、リアルタイムで体調をモニタリングする「作業者安全モニタリングシステム」を共同開発中で、夏頃に全現場での導入を目指している。このほか、洋上風力発電に関して、メーカー等とビジネスパートナーとしての取組みも模索している。

 入社の動機は、「建築全般をみることができるのでは」と、大手にない魅力を感じたことと、「東京にも行きたかった」。入社後は、その東京で作業所長を務め、16年前に大阪へ。作業所長の後、建築・リニューアルの施工・営業を担当。思い出に残る仕事として村田製作所本社ビル新築工事を挙げる。厳しい条件下の工事を乗り越えてきた経験が現在の糧となっている。

 自ら「ものづくりが好き」を公言し、「ものづくりが好きでなければ、この仕事は楽しくない。社員にもその楽しさを分かってもらいたい」との思いには強いものがある。また、「現場は出来るだけ見ることしている」。現場を見ることで分かることがあるとし、そのため海外出張も厭わない。

 座右の銘は、「敬事而信」。事に当たっては真摯に対応し、信頼を裏切らないとの意で、孔子の言葉。趣味は、絵画と写真、料理にゴルフと多彩だが、絵画はアクリル絵具で「水」をテーマに海や川を取り入れた風景画を描き、個展も開催する腕前。料理も下拵えからする本格派。また社員有志で日本の伝統建築を巡っている。

 
 
 三宅正人(みやけ・まさと)
昭和54年3月京都大学工学部建築学科卒業、同年4月戸田建設入社、平成18年4月大阪支店建築工事部工事長、同21年3月東京支店リニューアル工事部長、同22年3月同リニューアル営業部長兼リニューアル工事部長、同年9月同リニューアル工事部長、同23年3月東京支店建築営業第3部長、同24年3月大阪支店副店長(建築担当)、同26年4月執行役員大阪支店副店長(建築担当)を経て、同31年1月より現職に。京都府出身。63歳。


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